タコ糸っぽい糸をギューっと綱状に束ねたものに、プラスチック
とかステンレス製の持ち手をつけた、アレです。
世の中には油引きの存在を知らない方もいらっしゃるでしょう。
調理器具が油要らずのオールテフロンというご家庭もあれば、
油を直接フライパンに垂らして回す、という方もおられるでしょう。
しかし、一家に一台タコ焼き器。の大阪では油引きは絶対の存在。
テフロン加工されたタコ焼き器ですら、タネを流す前は油引きで
グリッと油をなじませるのです。いや、なじまさずにはおれぬ。
そんな油引きのお話です。
で、その油引き。糸の部分に油をしみこませて使うわけですが、
あれ、使った後どうしてます?
説明書には「汚れが気になる場合は洗剤で洗い、よく乾燥させて
ご使用ください」とか書いてますが、いちいち洗う奴、いるか?
多くの人が受け皿付きの油引きを使っていると思われますが、
あの受け皿にも油がたまっていて、油引きのブラシ部は24時間
油まみれ。
最初の内はそれでもまだきれいです。
しかし、毎日の炒め物で汚れカスがついたり、受け皿の油が
酸化したりで、気がつけば、オフホワイトで切り口も整然として
いたあの油引きが、茶色に濡れそぼり毛足はザンバラ、真ん中は
酷使されすぎて焦げ色・毛無しという有り様に。
しかし、何ということでしょう。
「それじゃあ洗うか」ということにはならず、汚れちまった
油引きはあっさりと捨てられ、新品にとって代わられるのです。
モッタイナイナー。
《 シリコンWブラシ オイルボトル 》
『広い所は平らなブラシで、狭い所は細いブラシで、油をうすく
ムラなく広げられる』
『少量の油でヘルシー&節約に!』
……うん、私の思いと開発者のコンセプトに激しいずれが。
どうやら「フライパンに直接油たらり」方式の人を対象にしている
ようです。ヘルシー&節約だって。
でもまあ、いいとこあります。
・油がキレイ。
従来品はブラシと受け皿の油が接していたので、油の酸化と
汚れがひどかったですが、これはボトルのオイルにブラシが
直接触れないので、変色もなくキレイなまま。
油容量も20ミリリットルと少量なので、酸化する前に
使い切れます。
・すみっこまで油が敷ける。
従来品では、特に卵焼き器の角に繊維が届かず、キーっと
なりがちですが、これは気持ちよく入ります。
・ブラシ部が洗える!
っていうか、ちょっと汚れがついたな。と思ったら、ティッシュ
かキッチンペーパーでグイッと拭えば即キレイ。
使ってしばらくたちますが、水洗いとかぜーんぜんしてないのに
新品同様。すんばらしい!
・毛抜け、毛羽立ちなし。
シリコンなので当たり前ではありますが。
「熱いフライパンとかに使って、溶けたりしない?」
とか思われる方も多いでしょうが、ダイジョブ。
ただし、耐熱限界はあるので、煮えたぎった天ぷら油の中に
突っ込んだりとかはやめましょう。
しかし、メリットあればデメリットあり。
・慣れないうちは使いにくい。
従来品はグリグリと縦横無尽に油を引けましたが、こちらは基本、
一定方向にブラシを滑らせるスタイルです。
はっきり言って、すごい違和感。時々イラッときたりして、
フライパンの中でぐちゃぐちゃにかき回したり。
・タコ焼き器には不向き。
ちょー使いにくいです。パッケージに使用写真が載っていますが
少なくとも私には無理。
捨てるはずだった従来品を持ってきてグリグリする羽目に。
慣れの問題かもしれないけど、永遠に慣れない気がする。
大阪人にしか関係ない項目ですが。
結論。
ボトルを押す力加減で、結構油が出る時もあるので、真にヘルシー
さを求めるなら、スプレー式オイルボトルの方がいいかも。
そして、卵焼き器の角問題、ブラシ部の汚れ問題にお悩みの
方には本品を強くおススメいたします。
タコ焼き愛好家の方は従来品をどうぞ。